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今と昔、どっちの方が妊娠しやすい?



昔は女性は性交をした後は必ず子供を授かると信じられ、不妊症という言葉は一般的にはあまり知られていませんでした。なかなか子どもを授からない夫婦に対しては、家族や周囲から妻に原因があると不当な扱いを受けたり、肩身の狭い思いをしながら生きていく、そんな時代もあったのです。

逆を返せば「女性は誰しも子供を授かる」ことが当然だった時代の表れでもあると考えられます。

昔の人はそれだけ妊娠しやすかったのでしょうか。現代人は、妊娠しづらい体になっているのでしょうか。

今回のコラムでは、そのことについて考えてみましょう。


■祖父母に聞く、昔の話

祖父母(90代)から聞く昔の話は「なんのネタか」と思うほど、今の妊活の常識からはかけ離れた信じがたい話がたくさん出てきます。旦那に忠誠でないから神様が子供を授けてくれないといった迷信、妊娠することができない女性は魔物扱いまでされたという話も。

妊娠することが“普通”で、不妊は普通ではないという見方がされていたのです。

今でも不妊といえば女性に問題があると思われがちですが、科学的そして医学的な見解および研究結果などから、不妊は男性側にも問題があることがわかっており、その割合は半々です

このような根拠を持たなかった祖父母の時代は、結婚は一生のことであり、夫婦の営みは子孫を残すための血縁存続の手段として認識されていました。そのため、“お見合い”というシステムが機能しており、男女ともに一定の年齢になれば結婚をすることも当たり前のことであったようです。今のような核家族ではなく、兄弟姉妹がたくさんいて大家族が一般的な家族の図で、子育てという環境においても家族の手はもちろん、近所でのお付き合いなどの中でみんなが子どもを育てていたそうです。

さて、それらを総合的に考えると昔は妊娠しやすかった、ということなのでしょうか?



■今の妊娠に関わる問題

イメージ的には昔は子供が必ずや生まれていたような感じがあります。それには考えられる要因があります。

  1. ライフサイクルや生活スタイルが今とは違っていたため 結婚・出産の平均年齢は20代でしたし、生活スタイルも朝は早起き、夜はテレビ番組もあまりない時代は早寝が習慣となっていました。身体的な若さに加え、健康的な生活スタイルを送っていたことから現代の晩婚晩産傾向より妊娠する確率は高かったといえます。

  2. 現代の食事には様々な添加物や化学調味料などが含まれているため 体がアレルギー反応を示したり、臓器にゆっくりながらも悪影響を与えたりすることもあります。長年体内に摂取されたあまり健康的とは言えない素材も体の免疫に影響しています。そして、体の細胞を酸化させていきます。体内細胞組織が酸化することによって卵子の成熟障害や卵子の質低下、卵子染色体異常、受精障害、着床障害、精子結合抗体の頻発などが不妊要因として心配されます。

心身に悪影響を及ぼす生活習慣を正すことから健康な生活を得ることはできます。そして、その結果、妊娠しやすい状態に心も体も変化していくのです。

「今と昔、どっちの方が妊娠しやすい?」という質問には、やはり昔の方が妊娠しやすいライフサイクル、生活スタイルであったことは間違いありません。

ですが、上記に述べた心身の健康を保つための生活の中で、今の生活スタイルに合わせて取り入れられることはあるはずです。

できることから一つ一つ初めて、妊娠に向けた最適な心身の状態を作っていきましょう


 

安藤 麻矢 Maya Ando


ライター歴20年。専門分野は社会科学。趣味は動物の短編小説を書いたりイラストを描いたりすること。同情よりも共感が少なくなっている世の中、小さな手助けが人の心を救えることを信条としている。米国大学にて心理学学位取得、香港の大学にて健康行動学でマスターを取得しており、グローバルな視点と知識をもとにしたコラムを執筆している。LIB Laboratoryでは、妊活に関するコラムと共に、自身の介護経験を通じて感じることも心理学的な視点を交えてお伝えしている。

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