竹内 英子

失恋・ペットの死・親しい人との別れ|喪失からの回復過程

こんにちは、看護師・保健師/コラムニストの竹内英子です。

予期していても、していなくても、自分自身の一部のように大切にしていたものを失った際、人は大きなショックを受けるものです。このショックから立ち直るまでには一定の時間が必要であり、ショックを感じている感情を消化していくことが必要です。


 
人はどのようにして喪失を乗り越えていくのでしょうか。

今回の記事では、「大切なものを失った際に感じる喪失感からの回復の過程」についてお伝えします。

取り返しのつかない喪失

大切な人やもの、自分の身体の一部を失った際に生ずる、心の外傷体験を「対象喪失」といいます。失恋やペットの死、親しい人との別離でも対象喪失は起こることがあります。

ショックから立ち直るための葬送の習慣

家族が亡くなった際に仏教や神教などの宗教では、そのショックを乗り切るまでの時間を喪に服す特別な期間としています。宗教や文化によって異なりますが、長いところでは3年間喪に服す習慣もあります。

死という取り返しのつかない喪失から立ち直るまでに時間がかかることを経験的に知っていた昔の人は、葬送の習慣の中に立ち直りやすい仕掛けを取り入れてきたのです。

喪失を受け入れ立ち直るまで

喪失を受け入れるまでには、下記のようなプロセスを辿っていきます。

  • 喪失したことを受け入れる
     
    大切なものを喪失すると初めは「失くした」ということが受け入れられません。いないはずの人をいるように感じたり、また必ず戻ってくるのではないかと思ったりするものです。「もう、戻ってくることはないのだ」と実感できるまでには少し時間が必要なのです。
     

  • 喪失した悲しみを消化する
     
    いよいよ、本当に失くしたのだということが実感されると、悲しみの感情がわきあがります。同時に怒りの感情や捨て鉢な気持ちになることもあるでしょう。このような時には、自分自身の感情を抑えてしまうのではなく、その感情に名前を付けて認めてあげることが有効です。
     

  • 喪失後の世界を受け入れる
     
    自分の一部のようだったものを失うということは、日常生活も大きく変わることを意味します。作る食事の量が変わったり、もう散歩をしなくてよくなったり、今まで自分はしなくてもよかったことをやらなくてはならなくなるかもしれません。この段階では行動や日常の積み重ねが悲しみに暮れる心を助けてくれます
     

  • 喪失したものの居場所を心の中に作る
     
    失くしたことは悲しいけれど、確かに一緒にいた時間があった、そんな風に思えるようになると、徐々に心の中に喪失したものの居場所ができていきます。もしかしたら、いつかあまり思い出さなくなる日が来るかもしれませんが、思い出さなくても心の中の居場所に喪失したものはしまわれているようになるのです。

喪失からの回復過程は忘れていく過程ではなく、心の中に失くしたものの居場所を作る作業です。この作業を進めていく際には、感情を言葉にしていくことが有効に働きます。

ひとりで行うには辛すぎる、なかなか辛さが言葉にならないという方は、オンラインカウンセリングなどを利用してみてくださいね。

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参照:

https://grief-care.org/about.html

http://grief.cokoro.org/monokadai/

https://www.koekisha.co.jp/ssk/world/


◆心理カウンセリング

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◆LIB Laboratoryの公式LINE

https://lin.ee/eVYeMAg


竹内 英子 ​Eiko Takeuchi

自身の子育てや介護の体験と業務上の個別相談対応から、睡眠は、メンタルヘルスだけでなく身体の健康や日々のパフォーマンスに密接に関連していることを実感し、リラックス法や呼吸法などを取り入れた睡眠指導を行っている。

<保持資格>看護師、保健師

https://www.liblaboratory.com/takeuchieiko

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