妊活は、新たな命を創造するという偉業です。また、妊娠から出産は人生にとってかけがえのない経験となるとともに、責任は重大です。だからこそ、カップルが足並み揃えてこの人生の出来事に取り込まなくてはなりません。
妊娠はもちろん一人ではできません。不妊治療に挑もうと思っている女性がいくら頑張っても、相手が協力してくれなければ成功するものもうまくいきません。
パートナーが協力的ではないという悩み、どのように受け止め、行動すればよいのでしょうか。 今回はこのことについて考えていきます。
■夫婦関係は陰陽のようなもの!?
中国哲学の一つである陰陽の黒白のシンボル。誰もが一度は目にしたことがあり、目にするシンボルは黒白平等の大きさに2分割されたものでしょう。しかし、陰陽の考えでは、黒白は常に動き、時には白い部分が大きな面積を占め黒を端に押しやることも、その逆もあります。陰陽が意味することは、完全な平等な二分割は存在せず、時によって白黒が占める大きさは時によって変化するということ。しかしながら、一つの丸の中に収まっているのです。
言い換えれば、夫婦関係のよう。どちらか一方が強気の時があれば片一方は押される側になり、それでも夫婦という関係は築かれています。
しかし、あまりに一方の押しが強すぎると、押される側は窮屈になってしまいます。
人間の感情は複雑で、自分の考えに凝り固まると、相手の気持ちが見えなくなってしまいがちで、2人の感情の衝突が起こります。そして、それが続くとストレスが溜まり、妊活に不適切な生活環境を作り上げてしまいます。
では、どうしたらよいでしょうか?
■第三者に夫婦間に立ってもらう
このような状況のために、カップルカウンセリングがあります。
カップルカウンセリングでは、カウンセラーが仲介人になり、カップルが自分の気持ちを声にして表します。カウンセラーは中立的な立場で双方の話を聞いていきます。そして、カップルが意見を交換したり議論したりする機会を設けていきます。
2人だけでいる時には、感情的になり思わず声を荒げてしまうこともあるかもしれません。しかし、カウンセラーがクッション効果としてカップルの間に入り、それぞれが話し合いたい内容を一つずつ確認してきます。お互いの考えに誤解が生まれないように段階を踏んで話し合いを続けていけること、またカップルのあり方を見直すこともできるよいチャンスとなります。
欧米では個人カウンセリング以外にも、グループ、カップル、家族や子供を対象にしたカウンセリングなどの歴史は長く、社会にも深く根付いています。 男性を説得してカウンセリングへ一緒に行くことは困難かもしれません。しかし、『2人の将来のために、そして妊活を成功させるために重要なステップ』であることを冷静に伝えてみてください。
2人だけでの話し合いでは見えてこなかったお互いの立ち位置や考え方について理解を深めることができるようになりますよ。
◆心理カウンセリング
安藤 麻矢 Maya Ando
ライター歴20年。専門分野は社会科学。趣味は動物の短編小説を書いたりイラストを描いたりすること。同情よりも共感が少なくなっている世の中、小さな手助けが人の心を救えることを信条としている。米国の大学にて心理学学位取得、香港の大学にて健康行動学でマスターを取得しており、グローバルな視点と知識をもとにしたコラムを執筆している。LIB Laboratoryでは妊活中の心理に加え、自身の介護経験を通じて感じることを心理学的な視点を交えてお伝えしている。
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