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介護で兄弟仲を破綻させないために大切なこと

こんにちは、精神科医/コラムニストの岡田夕子です。


せっかく仲の良かった兄弟が、介護や遺産相続をめぐっていがみ合い、果ては裁判になる・・・。

昔も今もこうした話を聞きますよね。


介護で兄弟仲を破綻させないためには、どうすればいいのでしょうか?今回はそのことについて精神科医の視点からお話ししようと思います。


介護で兄弟仲を破綻させないために大切なこと1


まずは、元気な間に親の意思を書面にしてもらおう


介護が始まるあたりから揉め出すのは、「遺産相続」問題です。これは、親が元気なうちに弁護士さんに頼んで公正証書にしておきましょう。これで、兄弟仲がいがみ合う理由が1つ減るのです。裁判までもつれこむのは大体この「遺産相続」問題で、介護が始まってから親に子が言うままに遺言書を書かせる、ということもよくあるトラブルだと聞きます。

「公正証書」が一番優先されますので、まずはそれを「親が元気なうちに」作成しておきましょう。


介護で兄弟仲を破綻させないために大切なこと2


自分にできること、他の兄弟にできることを話し合う


2つ目は、介護において兄弟内での役割をはっきりさせることです。

親が住んでいるところから近くに住む兄弟がいる場合は、その兄弟が通院の介助や入院するときの手続きなどの役割を担いやすいです。一方、遠方に住んでいる家族の場合は、資金援助やねぎらいの言葉、そういったことが役割となることが多いです。親と同居する兄弟や近くに住む兄弟が2人以上複数いる場合は、通院の介助を交互にする、同居している兄弟がデイサービスの送迎をして通院の介助は近所に住む兄弟がする、など役割分担の方法はいくらでもあります。

分担を完全に均等にするのは難しいかもしれませんが、「なるべく平等に」分担することがコツとなります。


また、延命処置についても親本人はもちろん、兄弟間で話し合っておくといざというときに兄弟喧嘩をしなくて済みます。大切な親御さんの最期ですから、しっかり時間をかけて話し合いましょう。


介護で兄弟仲を破綻させないために大切なこと3


お金を出さないなら口も出さない!口を出したければ金銭的負担を


時々聞くのが、「遠方に住んでいて何もしないのに、あれこれ口だけ出してくる」ケース。これは、論外ですよね。口を出すならお金も出す、お金を出さないなら口を出さない。そうはいってもやいやい言ってくる人はいるでしょうから、そういうときは着信拒否にしてしまうのが心の平穏につながります(荒療治かもしれませんが、精神科医としてはお勧めです)。


介護で兄弟仲を破綻させないために大切なこと4


介護に悩んだらぜひカウンセリングを


介護というのは、終わりの見えないマラソンのようなものです。ときには全力疾走しないといけなかったり、少しゆっくりしたペースで走れたり。でも、そのペースを自分で決めることはできません。身体も心もついていけず、ときには涙が出てしまうこともあるでしょう。


そのようなときにはぜひ、カウンセリングの利用を考えてください。第三者に話をすることで気持ちが整理され、また頑張ろうと思えることもあります。


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にっちもさっちもいかなくなったら、集団カウンセリングを使ってみる


介護について兄弟がいがみ合ったまま、膠着してしまうこともあるでしょう。そういうときには、集団カウンセリングの利用もおすすめです。第三者が入ることで、お互いの主張が整理され、いがみ合っていた気持ちが解きほぐされたり、相手が考えていたことがすんなりと受け入れられたりする可能性もあります。


こういう場合にも、カウンセリングは有効なのですよね。


介護で兄弟仲を破綻させないために大切なこと5


まとめ


今回は、介護で兄弟仲を破綻させないために、実務的にできることと、カウンセリングの活用のしどころについて説明しました。

今後、長寿社会になって、介護はどんどん増えてくると思います。そうした中で、兄弟にしこりを残さないために、この記事が役に立ちましたら幸いです。


介護で兄弟仲を破綻させないために大切なこと6


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岡田 夕子 Yuko Okada


精神科医/コラムニスト

医師×YouTuber×Webライターとして、さまざまな分野で才能を発揮しています。運営するYouTubeチャンネル『精神科医・みずきのこころチャンネル』では、こころの病気・症状、お悩み解決の仕方などを、自分の体験談なども交えながら発信しています。

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