こんにちは、谷ましゅです。
お読みいただきありがとうございます。
今回は、妊婦のメンタルヘルスについて、コラムでお伝えいたします。
妊娠・出産は人生で最も大きな出来事とも言える大切なライフイベントの1つですよね。赤ちゃんを授かったことへの大きな喜びがある半面、不安や心配が増えてしまうこともあります。
妊娠中のメンタルの変化や、その変化への対応について解説しますので、ぜひご参考に最後まで読んでいただけましたら嬉しいです。

もくじ
妊婦の心の変化
妊娠中のママのメンタルが子どもに影響する?
現在の妊婦へのメンタルケアの実情
妊婦の心のセルフケア

1.妊婦の心の変化
初めに、妊娠すると心にどのような変化があるのかについてお伝えします。
女性は、生まれた時からすでに100~200万個の卵子の元である卵母細胞子を持っており、思春期の体の変化や月経の開始とともに子どもを授かり育てることへの準備を始めます。そして、妊娠が発覚した時から本格的に母になるための体の準備が始まるといわれています。
体の変化については個人差が大きいものの、妊娠初期から始まるつわりや妊娠5~6ヵ月で感じる胎動とともに、少しずつお腹が大きくなっていくことを体感しながら出産への心の準備、母親としてのアイデンティティを築いていきます。
また、妊娠すると、胎児への影響が気になり、飲酒や喫煙、薬の服用などを回避します。また、お腹の張りなど自分の体の変化を敏感に察知するようにもなります。
つまり、これまで何も気にしていなかったことが不安の対象になり、常に「これは食べて大丈夫かな?」「車は運転しても大丈夫かな?」「たばこを吸っている人の近くにいても大丈夫かな?」など、その対象が広がっていくのです。
また、「自分は母親になれないのではないか」「母親としてやっていけるだろうか」と、自分を責めたり、自信をなくしたりすることもあります。
不安の対象が広がることで、精神的に不安定になることがあるのです。

2.妊娠中のママのメンタルが子どもに影響する?
妊娠中のこうしたママの不安は子どもの発達と関係があるのでしょうか?
答えは「YES」です。
妊娠期のママの不安や抑うつ症状は、幼児期の注意障害、IQの低下、問題行動と関連があることが研究でわかっています。
また、妊娠期に災害、戦争、家庭内暴力など、ひどいストレスを受けた場合、子どもの心への影響が長期化することも報告されています。
妊娠期のママは赤ちゃんのためにも自分自身の心を大切にケアしていく必要がある、ということがわかりますね。

3.現在の妊婦へのメンタルケアの実情
では、妊婦へのメンタルケアは実際のところどのようにおこなわれているのでしょうか?
妊娠期では産婦人科の助産師、看護師がその役割を担っていることが多いようです。
妊婦検診に行くと、定期的に助産師、看護師と面談する機会があります。そこでメンタルに関するアンケートに記入したり、不安なことを聞いてくれたり、産後のサポートについて一緒に考えたりしてくれます。
助産師、看護師からのケアはママにとって、とても大切で必要なことです。
また、不安がひどい、無気力などの抑うつ症状がある場合に心理士によるカウンセリングが実施される病院もあります。
自分の不安を聞いてもらえない、頼れそうにない場合は病院を変更することも視野にいれる必要があるといえます。

4.妊婦の心のセルフケア
ここでは、出産までの大切な妊娠期を気持ちよく過ごすための方法をお伝えします。
なによりも大切なことは妊婦であるあなた自身がゆったりできる環境で過ごすことです。他にもストレッチをしたりお腹が張らなければお散歩したりするのも良いでしょう(この点については自己判断をせず、定期検診などで医師と相談しながら進めてくださいね)。
以前ご紹介したマインドフルネス瞑想にはリラックスの効果があります。瞑想を行うことで、お腹の赤ちゃんとの繋がり、ママになる実感をしっかりともつことができるでしょう。自分の体と向き合い、しんどいなと思ったことは避けてもかまいません。これは甘えではなく、赤ちゃんを守るためのストレスケア対策として必要なことだと言えます。
ゆったり過ごすことを心がけても、どうしても不安が頭をよぎる時は、妊婦検診の際、助産師に相談してみましょう。
私個人の感想ではありますが、カウンセリングを担当している病院や勉強会、学会等にいくと、産婦人科領域の医療従事者の皆さんが妊婦のメンタルヘルスに関心を持っていることを感じます。
不安で心がいっぱいになってしまうことは珍しいことではありません。恥ずかしいと思わずに相談してみましょう。
妊娠期間は特別な期間です。自分の心と体と向き合い、変化を受け入れて、心地よく過ごすことを目指していきしょうね。
参考文献
公益社団法人 日本産婦人科医会 「妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル~産後ケアの切れ目のない支援に向けて~」2017年3月
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谷 ましゅ Mashu Tani
大学卒業後、メガバンクにて個人向け金融商品の営業として働く。 銀行員を続けながら大学院受験の勉強を行い、難関国立大学に合格。結婚退職後、大学院に入学。 現在臨床心理学を専攻しており、認知行動療法、メンタルヘルス、発達障害などを専門に勉強中。また、研究活動を行っており、セルフコンパッションをテーマに研究中。
<保持資格>FP2級
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