メタボと睡眠③|特定健診の検査数値に睡眠が影響?
- 竹内 英子
- 2022年5月2日
- 読了時間: 3分
こんにちは、看護師・保健師/コラムニストの竹内英子です。
今回のコラムでは、前回に引き続き「メタボと睡眠」について取り上げています。
前回までの記事はこちら↓
『メタボと睡眠①|睡眠不足は肥満の原因?』
『メタボと睡眠②|喫煙や飲酒は眠りの質を落とす?』
今回の記事では、「特定検診の数値と睡眠」についてお伝えします。
別名「メタボ健診」ともいわれる「特定健診」は、40歳以上から受ける健診です。一般に「メタボを改善するには、食事と運動の生活習慣改善」と思われていますが、実は、睡眠も大きく関与しています。

生活の中の不調は睡眠不足が原因?
睡眠不足は活動や意欲を低下させ、集中力の低下や抑うつ状態などを引き起こします。睡眠不足が続くと作業効率が下がり、ミスや事故が起きやすくなるだけでなく、些細なことでイライラしたり涙もろくなったりすることもあるのです。さらに、睡眠不足はこのような認知行動面だけでなく、体の中のホルモンの分泌や自律神経機能にも大きな影響を与えます。
<睡眠不足の悪影響>
だるくてなかなか起きることができない
朝食を食べたくない
午前中から眠気を感じる
注意力が散漫になり、ケガをしやすくなる
仕事がはかどらない
感情が不安定になる
甘いものや炭水化物が食べたくて仕方がない
体調を崩しやすくなる
感染症にかかりやすくなる
太りやすくなる
こんな兆候がみられたら、睡眠不足が影響しているのかもしれません。

眠りと健康の関係は?
睡眠不足になると血液循環が悪くなりや新陳代謝も滞りやすくなります。甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌も乱れるので、血糖値や血圧にも影響を及ぼします。
<睡眠不足は血圧にダイレクトに影響>
検査数値の中で睡眠不足の影響をダイレクトに受けるのは、なんといっても血圧です。健診の前日に眠れなかっただけで、血圧はグンと上がってしまいます。しっかり睡眠をとれば元に戻りますが、慢性的な睡眠不足で血圧の高い状況が続くと、血管の動脈硬化が進み高血圧の状態になってしまう恐れがあります。
<睡眠不足と血糖コントロール>
睡眠不足が続くと、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が減り、食欲を促進するホルモン「グレリン」の分泌が増えることで、食欲が増大します。さらに睡眠不足が慢性化すると体が危機を感じて脂肪から糖分を作り出して空腹時血糖値が上昇させ、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の能力も低下させます。
そのため、慢性的な睡眠不足で健診に行くと空腹時血糖のみが高い状況になることがあります。健康な人では数日の睡眠不足程度では血糖コントロール全体が悪化してしまうことはありませんが、既に糖尿病の人にとって睡眠不足が血糖値のコントロールを難しくする大きな要因のひとつになります。
<睡眠不足で悪化する脂質代謝>
睡眠不足が続くとホルモンの分泌が乱れ、新陳代謝も滞ります。コレステロールは細胞やホルモンの材料になる物質でもあるので、新陳代謝と密接に関連しています。そのため、睡眠不足だと、他に原因が見当たらないのに脂質代謝の数値に異常がみられるということがあるのです。
「いくら、食事に気を付けたり運動したりしても、健診の結果がよくならない」
それは、もしかしたら睡眠不足が原因なのかもしれません。睡眠マネジメントもできるオンラインカウンセリングなどを利用して、眠りについて見直してみませんか。
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参照:
◆心理カウンセリング
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竹内 英子 Eiko Takeuchi
自身の子育てや介護の体験と業務上の個別相談対応から、睡眠は、メンタルヘルスだけでなく身体の健康や日々のパフォーマンスに密接に関連していることを実感し、リラックス法や呼吸法などを取り入れた睡眠指導を行っている。
<保持資格>看護師、保健師
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