こんにちは、看護師・保健師/コラムニストの竹内英子です。
今回のコラムでは、前回に引き続き「メタボと睡眠」について取り上げています。
前回の記事はこちら↓
『メタボと睡眠①|睡眠不足は肥満の原因?』
今回の記事では、「飲酒や喫煙と眠りの質」についてお伝えします。
「アルコールで嫌なことを忘れる」「イライラしたらタバコをすう」など喫煙や飲酒でストレスを解消している方は少なくありません。睡眠と喫煙、禁酒の関係について考えてみましょう。
睡眠とタバコの関係は?
喫煙者の中には、タバコを吸うとイライラが消えてすっきりすると感じている方が多いようです。寝る前にリラックスのために一服し、起き抜けには目を覚ますために一服する。喫煙者は、生活の節目でタバコをすう方が多いのではないでしょうか。
<喫煙の眠りへの影響>
覚醒状態になる タバコの煙に含まれているニコチンはアドレナリンの分泌を促します。アドレナリンは体や心を緊張させ臨戦状態にするホルモンで、交感神経を優位にします。眠りに入るために必要な副交感神経によるリラックス効果とは逆の働きをしてしまうのです。タバコをすった直後にはリラックスしたように感じるのですが、しばらくするとこの覚醒作用が強く現れるので眠りの質も下がります。
早朝に目覚める ニコチン依存におちいっている場合では早朝になると体の中のニコチンが切れてしまうため、タバコをすいたくなって目覚めます。
<できれば禁煙がおすすめ> 禁煙できればそれに越したことはありません。禁煙できない場合でも、就寝前の1~2時間はタバコを控えるとよいでしょう。
睡眠とアルコールの関係は?
アルコールを摂ると少しフワッとしてストレスから解放されたような気持ちになり、さらに飲み続けると眠くなってきます。この作用を利用して、いわゆる「寝酒」をする人は少なくありません。
<アルコールの眠りへの影響>
トイレが近くなる 眠っている間は抗利尿ホルモンという尿を作らないようにするホルモンが分泌されて、熟睡できるようになっています。アルコールはこのホルモンの働きを邪魔してしまうため、尿がどんどん作られてトイレに行きたくなってしまいます。
喉が渇く アルコールを分解する際にはたくさんの水分を必要とします。お酒のつまみには塩分が高いものが多いこともあり、アルコールを摂った日は喉が渇いて夜中や早朝に目覚めてしまうことがあります。
イビキをかきやすくなる 睡眠中の呼吸がうまくいかないときにイビキをかきます。アルコールを飲むと、筋肉がゆるむので舌が気道に落ち込んでしまったり、喉周辺の組織がうっ血したりして呼吸が妨げられるのです。そのため、呼吸が止まってしまうと苦しくて眠りが浅くなり、睡眠時無呼吸症候群のような状態になります。
楽に寝入ることができても、すぐ目覚めてしまう アルコールを飲むと寝入りばなには深く眠ることができますが、数時間もするとアルコールの分解で生成されるアセトアルデヒドという物質に刺激され眠りが浅くなってしまいます。
<上手なアルコールの楽しみ方>
厚生労働省によれば、1日に許容されるアルコール摂取量は平均純アルコールで男性20g、女性10g程度とされています。男性ならビール500mlまたは焼酎80g、女性なら焼酎50gまたはグラスワイン1杯弱が目安です。
週2回はアルコールを飲まない日をつくり、就寝の2~3時間前までに飲み終わるようにするとよいでしょう。
「ストレスが多くてタバコとアルコールの量が増えている」
「タバコやアルコールに代わるストレスへの対処法を見つけたい」
もしも、そんな風に感じたなら、睡眠マネジメントもできるオンラインカウンセリングなどで相談してみてはいかがでしょうか。
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竹内 英子 Eiko Takeuchi
自身の子育てや介護の体験と業務上の個別相談対応から、睡眠は、メンタルヘルスだけでなく身体の健康や日々のパフォーマンスに密接に関連していることを実感し、リラックス法や呼吸法などを取り入れた睡眠指導を行っている。
<保持資格>看護師、保健師
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