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卵子や精子の老化を防ぐ方法 ~妊活にメンタルケアを取り入れる~

不妊治療の普及に伴い、卵子と精子のさまざまな側面についての研究が進みつつあります。その中でも問題となっているのは、卵子と精子の老化現象。

今回のコラムでは、この老化現象とストレスの関係について考えてみたいと思います。



■卵子と精子の老化とは

年齢が上がるにつれて体が少しずつ老化していくように、私たちの卵子や精子といった生殖細胞も加齢の影響を受けていきます。加齢に伴い、妊娠率が低下していくことはよく知られていますが、具体的にはどのように老化が進んでいくのでしょうか?


女性の卵子は、年齢に反比例して数が減少していくだけでなく、加齢と共に質の低下が起こります。卵子のハリが失われていき、しわが目立つようになるそうです。この状態が進むほど、妊娠が難しくなっていきます。

一方、男性の精子にも老化は起こります。精液の量が減少していき、精子のDNAに損傷が起こることがあり、これは不妊の大きな一因となります。精子のDNAがダメージを受けた状態だと、妊娠しても流産率があがってしまうのです。



■生殖細胞の老化を防ぐには

では、どうすれば生殖細胞の老化を防ぐことができるのでしょうか

喫煙や副流煙を避ける、肥満や痩せすぎなど体型の偏りに注意する、健康な食生活、過度な飲酒を控えるなど、さまざまな方法がありますが、近年特に着目されているのが精神的ストレスの軽減です。

心に過度なストレスがかかると、男女ともに自律神経そしてホルモンバランスに乱れが生じます。それをそのまま放置しておくと、性生活や生殖にも影響が出てしまうのです。例えば男女ともに性欲の低下、女性の月経や排卵不順、男性の精子濃度と運動率の低下などが起こり、妊娠しにくい状態に傾いていきます。たかがストレスではなく、健康な妊娠の大きなカギを握っているといえるでしょう。



■メンタルケアを取り入れた妊活を

私たち日本人はこれまで、メンタルケアの重要性に対して非常に無頓着だったのではないでしょうか。社会人としては、ストレスをものともせず邁進していくことが奨励されるかもしれません(それでも私たちはメンタルケアを取り入れてほしいと考えていますが)。

でも健康な妊娠のためには、私たちはもっと自分自身を労わるべきなのです。さまざまな心配事や悩みは定期的に吐き出していくこと、ストレスの原因となるものとの関わりを極力減らすことは非常に大切です。体のケアと併せて心のケアに気を配るようにしてみましょう。欧米社会のように気軽にカウンセリングを受けてみたり、妊活のグループセミナーなどで悩みを話し合うのもいいですね。

悩みや苦しみを押し殺すのではなく、周りと分かち合うことで癒していくのです。特にパートナーとお互いの心を労わりあうことで、更に愛情と絆が増し、それはその後の人生でも大きな助けとなっていくでしょう。

心身の健康はすべての基本。ぜひ妊活にもメンタルケアを取り入れてみてくださいね



◆心理カウンセリング


 

恵理世 Riyo Megumi


コラムニスト/メンタルケアカウンセラー

専門は女性のための深層心理分析。産前産後のお母さんたちのメンタルケアを中心に活動。自身も不妊や流産に悩み、妊活の末、一児の母。日英バイリンガルとして、世界各国の人々のカウンセリングを行ってきた経験と女性のメンタルケアに携わってきた臨床経験を活かし、グローバルな視点でのコラム執筆をしている。

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