不妊症であることが苦しい、つらい、そんな自分を受け入れられない…
赤ちゃんを待っている間に、悲しい気持ちになることも多いでしょう。
私も以前は、毎月生理が来るたびに落ち込み、涙を流していました。どうして私の体は妊娠できないんだろうと悩み、悔しく思い、自分自身に腹立たしく感じることばかりで、そのストレスが更に体を蝕み、妊娠から遠ざけていたように思います。
健康な妊娠には、ストレスは大敵です。
今回はそんなストレスに打ち勝つために、“ありのままの自分”を受け入れる方法についてお話ししたいと思います。
■自分を受け入れることは、一番難しい
自分がコンプレックスに思っている部分を含め、“ありのままの自分”を愛することは、とても難しいことです。
この世に生きる人間で、自分自身に嫌いなところ、自信のない部分がひとつも無いという人は、なかなか見つからないでしょう。特にまじめであればあるほど、自分自身に対して厳しくなってしまう傾向が強いようです。
自分の全てを認めることは、一朝一夕にできなくても、なにも心配することはありません。
■妊娠していない状態も、自然の一部
「そうは言っても、今現実に妊娠できていないことが、どうしようもなく辛い」と思うかもしれませんね。そんなときは、こう考えてみてください。
―もし世界中の女性が、同時期に一斉に妊娠してしまったとしたら…?そんなことが起きたとしたら、社会は大混乱に陥ることでしょう。労働力や物資、医療機関が不足し、出産で命を落とす女性が急増したり、生まれた子どもたちも無事に育たないかもしれません。例え妊娠できたとしても、そんな世界では子どもと共に幸せに生きていくことが非常に難しくなります。
このように自然とは、社会とは、多様性があるからこそ守られ、維持されていくのです。妊娠していない状態も、世界がまわっていくための大切な要素のひとつです。あなたにはあなただけの最適な妊娠のタイミングがあります。それをゆっくり待ちましょう。
同時に妊娠というのは、長く実り豊かな人生を構成するほんの一部分の要素でしかなく、それだけであなたという人間の全てが決定づけられるわけではありません。例え自分の体から子どもを産まなかったとしても、親になる道はあり、子どもたちを、命を育むことができるのです。
■あなたはあなたのままで完璧
あなたは自然が生み出した完全体です。不妊である体を歯がゆく思うこともあるかもしれませんが、それでもあなたは、世界の目から見れば尊くかけがえのない存在です。
あなたの身近な人々にとってもそうでしょう。あなたを心から思う人は、妊娠の可否だけであなたを愛しているのではありません。あなたの存在全てをひっくるめて大切に思い、あなたを必要としているのです。
世界にたった1人の自分をまずはご自身で認め、愛し、必要としてくださいね。
それでもつらいと感じているときには、そんな気持ちになかなかたどり着けないかもしれません。
そんな時は、カウンセリングなどを利用し、プロの手を借りて自分と見つめ合う時間を持ってみてください。自分自身を傷つけるストレスを軽減することが、健やかな妊娠への最短の道です。
どうかみなさんが、少しでも自分自身を認め、愛してあげられるようになりますように。
◆心理カウンセリング
恵 理世 Riyo Megumi
コラムニスト/メンタルケアカウンセラー
専門は女性のための深層心理分析。産前産後のお母さんたちのメンタルケアを中心に活動。自身も不妊や流産に悩み、妊活の末、現在は一児の母。日英バイリンガルとして、世界各国の人々のカウンセリングを行ってきた経験と女性のメンタルケアに携わってきた臨床経験を活かし、グローバルな視点でのコラムを執筆している。
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