こんにちは、看護師・保健師/コラムニストの竹内英子です。
今回のコラムでは、「イヤイヤ期」について取り上げています。
何を言っても「イヤ!」「ダメ!」「キライ!」。そんな子どものイヤイヤ期は、「魔の二歳児」などとも呼ばれるちょっぴり手が焼ける時期です。
子どもの成長発達の過程には、「反抗期」といわれる時期が2度あります。大人になっても覚えているのは思春期に訪れる「第二次反抗期」。あまり記憶に残っていない第一次反抗期はどんな時期だったのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
イヤイヤ期ってどんな時期?
イヤイヤ期とはそもそもどのような発達段階にある状態なのでしょうか。まずは、赤ちゃんの発達段階について知ってみましょう。
・第一次反抗期
赤ちゃんはまだ「自分」というものを意識していません。まず、8カ月前後で自分以外の「人」を意識する「人見知り」をする時期があり、2歳前になってようやく「自分」を意識するようになるのです。このころがイヤイヤ期、いわゆる「第一次反抗期」です。
子ども自身も思い悩みやすい第二次反抗期に比べると、第一次反抗期では初めて自分を主張することを覚えた子どもが、嬉々として「イヤ」「ダメ」「キライ」と連呼しているようにも見えます。
・イヤイヤ期は、自分(自我)との出会い
「自分で(いろいろな行動を)する」という体験の積み重ねで、子どもは「自分」というものを意識するようになります。「落ちているキラキラしているものを拾う」「おままごとをする」「車で遊ぶ」などという自分の興味を持った行動をすることで「自分がしたいこと・したくないこと」を意識するようになっていくのです。
また、いつもは手伝ってもらっていた、「靴を履く」「歯を磨く」「服を着る」などの行為を自分でできるようになることが自分の有能さを実感することになり、「自分でやる」という思いを高めていきます。
・2種類のイヤイヤとその対応
子どもがいくら「自分は有能だ」と思ってもまだできないことはありますし、いくら「したいこと」でもさせてもらえないこともあります。この2つのイヤイヤへの対応はそれぞれ異なります。
自分でしたいけれどできなくて怒っているときには、見守るか許可を取って手を貸すとよいでしょう。怒りながらでもがんばっているようならそっとしておいてあげましょう。
させてあげられないことをやりたくて怒っているときや、やりたくないことをさせられて怒っているときには、なるべく早く場面を切り替えてしまうことが有効です。
イヤイヤ期を親子で前向きに過ごすためには?
頭では「発達段階の途中なのだ」とわかっていても、目の前でずっとイヤイヤされると親としても途方に暮れてしまうもの。
ここでは、イヤイヤ期を前向きに過ごすためのアイデアを3つご紹介いたします。
「イヤ」「ダメ」「キライ」は否定ではなく、発見だと思おう 第一次反抗期だと分かっていても、「イヤ」「ダメ」「キライ」と連呼されると疲れてしまいますよね。でも、子どもは否定しているわけでなく、自分自身を発見したことを主張していると考えると少し余裕ができるかもしれません。
子どもにかかわる人を増やそう 2歳前後になると「自己」と「他者」の違いをはっきり認識していくと共に、複数の他者についてもそれぞれが別の人だということをしっかり認識できるようになります。子ども自身の体験という意味で、積極的に一時保育などを利用したり、他の家族と一緒に過ごしてもらったりしてみましょう。他の人が子どもに関わってくれることで、気持ちの余裕ができたり、新しい発見ができたりするかもしれません。
全否定してもママが好き 何を言っても「イヤ」「ダメ」「キライ」と全否定していても、2歳前後の子どもはママが大好き。子どもの「イヤ」「ダメ」「キライ」に一喜一憂しないで、自信をもって子育てしてくださいね。
分かってはいても、子どものイヤイヤ期に疲れてしてしまったというときは、オンラインカウンセリングなどでぜひ心の内を吐き出してみてください。すっきりして、また子どもと向き合う前向きな気持ちになれるはずです。
参照:
◆心理カウンセリング
◆LIB Laboratoryの公式LINE
竹内 英子 Eiko Takeuchi
自身の子育てや介護の体験と業務上の個別相談対応から、睡眠は、メンタルヘルスだけでなく身体の健康や日々のパフォーマンスに密接に関連していることを実感し、リラックス法や呼吸法などを取り入れた睡眠指導を行っている。
<保持資格>看護師、保健師
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