キャリアの観点、マネーの観点、などさまざまな観点からも仕事を継続できるなら継続したいという妊活WOMAN®さんも多いことと思います。
今回は、妊活とは切っても切れない仕事について考えてみましょう。
■あなたにとって“仕事”とは?
まず一番初めに考えることは、ご自身にとっての仕事の位置づけを知ることです。
生活の手段
社会とのつながりを実感するためのもの
自己成長のためのもの
自分の力を発揮し、世の中の役に立つためのもの
人によって仕事の位置づけは違うものです。 あたなにとって“仕事”とは何なのか、このことを考えて、ご自身の中で答えを見つけてみましょう。
■「仕事が大切なものだと気づいた」妊活WOMAN®さんの例
LIB Laboratoryには、心理カウンセリングの中に取り入れている『ワクワクtoできる妊活』というワークがあります。これは、妊活中も前向きな気持ちで日々を過ごせるよう、自分がワクワクするものを見つけてもらうワークです。
以前、妊活CAFEに参加してくださったMさんは『ワクワクtoできる妊活』をしてみてこんな変化がありました。
≪BEFORE≫
20代からバリバリ仕事をやり、一般職入社から総合職へ上司の推薦で変更。以後、その実力を認められ、子会社から東京の本社へ異動。30代後半で月の半分は出張というハードなワークをこなうち、仕事をしているから妊活が進まないと感じるようになり、最近は仕事に積極的になれず、そんな自分に戸惑いを感じていた。年齢のこともあり妊活に本腰を入れるため、仕事を辞めるべきか悩んでいる。
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≪AFTER≫
自分にとって仕事が「ワクワクする日常」にとってかけがえのない要素の1つであることがわかり、妊活と仕事を両立する道を模索すると決める。その後、上司に掛け合って出張や残業の少ない部署へ異動。現在は、仕事にやりがいを感じながら妊活にも取り組めるようになったことで心に余裕が生まれ、妊活後の妊娠・出産・育児期までキャリア計画を立てられるようになり、精神的な負担がなくなったと感じている。
実は現在、妊娠5ヵ月。つわりで辛いこともあるが、仕事との両立をすることができ、あの時仕事を辞めずに続けることができてよかったと感じている。
妊活は年齢、時間との戦いという側面も持っていますが、そのために築き上げた自分のキャリアをすべて捨てる必要はありません。そのためにも、あたなにとって“仕事”とは何なのかをきちんと自分で知る必要があるのです。
■仕事を辞める決断の前にやるべきこと
先ほどのMさんは仕事を辞めない決断をしましたが、辞めることも勇気のいることですよね。仕事を辞める/辞めないの決断をするときには、必ず両方のメリットとデメリットを徹底的に洗い出して比較をするようにしましょう。
現在、会社員としてお勤めの方は、妊娠・出産で受けられる恩恵は思っている以上に大きいです。また、妊活後の産休・育休中は「帰る場所がある安心感」も持つことができ、精神的なメリットもあります。長い目で見れば安定した収入があるメリットはとても大きいです。
不妊治療に専念するために、という理由で退職を決断し、社会とのつながりがなくなることで不安を感じる方もいますし、一度切れたキャリアを数年のブランクを経て復活させることにも苦労が伴います。
自分1人では思いつかないメリットやデメリットがあるので、周囲の人にアドバイスを求めても良いですし、キャリアアドバイザーなどのプロに相談しても良いでしょう。
ここでのポイントは「徹底的に」メリットとデメリットを洗い出すこと!その上で、仕事を辞める/辞めないの決断をするようにしましょう。
■悩みは細かく分解して考えよう
「仕事がストレス!!」という妊活WOMAN®さんに、カウンセリングの中でまず考えてもらうのは「仕事を分解すること」です。
一口に“仕事のストレス”と言っても、例えば営業職ならアポ取りがストレスなのか、社内の営業会議がストレスなのか、営業資料の作成がストレスなのか、ストレスの原因はさまざまです。 まずは、自分の仕事を細かく分解し、ストレスの原因がどこにあるのかを考えましょう。
原因がわかれば対策が考えられます。
以前、営業職のクライエント様(Iさん)から仕事のストレスのご相談をいただきました。
人と会うことが好きなIさんは対外的なやりとりではなく、出席必須の社内会議と不妊治療クリニックの予約が重なった時に社内調整をすることにストレスに感じていました。
カウンセリングの中でお話をするうちにIさんが気づいたことは、周囲に対して個人的な理由で社内調整をすることへの申し訳なさと、毎回謝罪をすることで自己肯定感が低くなっていることでした。上司は不妊治療にも理解のある方で、周囲からもそのことで責められたことは一度もないのに、ご自身の「周囲に迷惑を掛けてはいけない」という価値観がIさん自身を追い詰めていたのです。
このことに気づいたIさんは、Iさん自身の捉え方を変えると共に、物理的なストレスを減らす方法として、社内会議への出席方法などを一緒に考えました。
後日、上司に不妊治療と重なったときの社内会議の出席方法について相談をし、報告すべきことがあるときには代役を立て、そうでないときは後で議事録を見ることで、社内調整せずに欠席をしてもよいと許可を得ることができました。
もちろん、許可を得られた背景にはIさんの長年の会社への貢献、普段の仕事ぶりに対する上司からの信頼があったからではありますが、分解をすることで対策が明確になり、ストレスを自分で減らすことができたのです。
このように、仕事を分解することでストレスの原因がわかり対策を打てるようになるのです。ぜひやってみてくださいね。
■まとめ:後悔しない選択のために大切な3つのポイント
これまでお話してきたことをまとめると、妊活と仕事を両立をするための3つのポイントは下記の通りです。
自分にとっての仕事の位置づけを知る
仕事を辞める決断を下す前にメリットとデメリットを徹底的に洗い出して比較する
悩みを細かく分解してストレスの原因を見つけ出す
どんなときでも「後悔しない選択」をすること、そして、「選択をするのは自分である」ことを認識し、より良い未来のために前向きな妊活をしていきましょう!
妊活と仕事の両立でのご相談は、心理カウンセリングのページから受け付けています。
◆心理カウンセリング
今井 さいこ Saiko Imai
LIB Laboratory代表。公認心理師/睡眠指導者。
高校生の時「環境が心に与える影響」に興味を持ったことから、大学で心理学を専攻。臨床心理学を中心に認知心理学、知覚心理学、行動心理学、生物心理学、発達心理学を学ぶ。
その後、社会人としてベンチャー企業に勤める傍ら、心理カウンセラーとしての勉強と実践を積み、女性向けカウンセリングを始める。
2013年から7年間妊活支援に特化した心理カウンセリングを提供。現在は、睡眠指導者やナチュラルライフセラピスト、アロマテラピーアドバイザーの知識も活かした心理カウンセリングにより、心身共に健康に導くカウンセリング、パフォーマンスを上げるための睡眠指導をおこなっている。
https://www.liblaboratory.com/imaisaiko
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