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中絶後、なかなか妊娠できない。どうしたらいい?

更新日:2020年3月23日

人生には様々な困難があります。それぞれの困難を乗り切ることで前に向かって人生という道を歩みます。

妊娠は人生の出来事の中でも大きなもの。心身に多様な影響をもたらします。妊娠したからと必ずしも祝福できる状況にない時もあります。中絶がその時の最善の方法となることもあるでしょう。

今回のコラムでは、中絶を経験後になかなか妊娠できずに悩む妊活WOMAN®がこれからどうしたらよいのかについて考える内容です。



■中絶をすると不妊になりやすい?

中絶をすると不妊になりやすい、という話を聞くことがあります。しかし、一般的な医学論では、きちんとした人工中絶処置を受けていれば不妊になることはほとんどないと言われています

では、なぜ中絶経験者が不妊症になることがあるのでしょうか?それはストレスが大きく影響していると考えられます。

中絶という言葉を聞くと、まずイメージすることは、ネガティブな言葉。例えば、

予期せぬ出来事、望まれない子、命を絶つ、など...

その他様々な状況を思い浮かべると思います。

これは実際に中絶を経験した女性でなくとも、一般的に脳裏によぎる状況です。

それでは、中絶経験者はどのように感じるでしょうか?



■記憶とストレスの因果関係

中絶経験者の多くは、命を絶ったということ経験から、自虐心、罪の意識を再び感じるでしょう。自分の行った行動を責める言葉ばかりが思い浮かぶかもしれません。たとえ、どんなに昔の出来事であっても、脳の中に記憶された経験は消えることなく、頭の中の引き出しにしまわれています。そして、ふとしたきっかけで引き出しが開き、記憶として思い出されます。そして、その度苦い思いをし、心にストレスを与えます。

何か嫌なことを経験してその時感じた“嫌悪感”は脳の中に最近起こったこととして短期の記憶となります。そして、時間の経過とともに実際の体験が長期の記憶として脳に刻みこまれ、きっかけがあれば記憶として脳裏に鮮明に蘇ります。



■中絶後、なかなか妊娠できない、どうしたらいいの?

中絶したから妊娠できないと感じている女性に是非試していただきたいことがあります。それは、事実関係の整理。決断には必ずそれを下支えする理由があります。

まず、中絶をした理由を一つ一つ書いてみましょう。理由全ての合計が100点になるようにそれぞれの理由に点数をつけていきます。

出来上がった点数表を確認します。

中絶が当時必要な選択であったことが点数化されます。つまり、結論には理由が様々ありそれらを相対的に判断しての決断であったことを再確認します。

PTSDとして知られる心的外傷後ストレス障害の治療の一つに、 誰が関わったか、衝撃的な経験はどのような状況で起こったか、など経験の原因と思われることを紙に書き、考えられる要因がそれぞれ何パーセント位の割合を占めるかを点数にしてみる、というものがあります。その目的は、自分が原因で100%その体験を引き起こした訳ではない事を再確認することです。つまり自分一人を責めるのは不公平であることを証明します

ここで大事なことは、過去の記憶に囚われないということ。起こった事実はどんな原因であれ受け止め、過去の経験が今求めている大事な命の誕生への障害にならないと認識することが大切です。


心と体の健康が保たれ、心身ともにリラックスした状態の時が妊娠しやすい時と言われます。そのため、過去の記憶を思い出すことで過度なストレスを感じることは妊活に置いて百害あって一利なしです。

心身の健康は世界保健機構(WHO)が健康を心身ともの良好な状態と定義しているように心の健康は赤ちゃんの誕生にもつながります。

さまざまな過去があっての今の“あなた”であることは間違いありませんが、過去にとらわれずに未来を見据えいきましょう。


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恵 理世 Riyo Megumi


コラムニスト/メンタルケアカウンセラー

専門は女性のための深層心理分析。産前産後のお母さんたちのメンタルケアを中心に活動。自身も不妊や流産に悩み、妊活の末、現在は一児の母。日英バイリンガルとして、世界各国の人々のカウンセリングを行ってきた経験と女性のメンタルケアに携わってきた臨床経験を活かし、グローバルな視点でのコラムを執筆している。

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