子どもの受験で親のほうが不安になるときに。高校受験期の親の関わり方
- 今井 さいこ

- 2月11日
- 読了時間: 6分
※この記事は、2026年2月7日配信のPodcast「それ、わかるー!!」でお話しした内容をもとにまとめています。
※配信エピソード:237.子どもの受験、親はどう応援すればいい?
子どもの高校受験が近づくと、本人以上に親のほうが落ち着かなくなることがあります。成績や志望校、勉強時間が気になり、つい口出ししてしまう。そして後から「プレッシャーをかけてしまったかも」と自己嫌悪になる。
この記事では、受験期の子どもへの関わり方と、親自身の不安との向き合い方をお伝えしています。
■こんな方におすすめの内容です
子どもの高校受験を前に、親の自分が落ち着かない
成績や志望校のことで、つい口出ししてしまう
応援したいのに、子どもにプレッシャーをかけている気がする
受験期の親子関係や距離感に悩んでいる
子どもへの声かけや見守り方に迷っている

子どもの受験で親が不安になるのは自然なこと
子どもの受験が近づくと、親の心もざわざわしやすくなります。
「もう少し勉強したほうがいいのでは」
「この志望校で本当に大丈夫かな」
「本番で力を出せるだろうか」
そんなふうに考えてしまうのは、子どものことを大切に思っているからこそでもあります。親として、子どもに後悔してほしくない、頑張った経験を自信につなげてほしい、できれば希望する進路に進んでほしい。そう願うのは、とても自然なことです。
ただ、その不安がそのまま言葉になると、子どもには「責められている」「信じてもらえていない」「プレッシャーをかけられている」と伝わってしまうこともあります。
大切なことは、不安になる自分を責めることではありません。まずは「私は今、子どものことが心配で不安になっているんだな」と気づくことです。気づけるだけでも、言葉の出し方を少し選びやすくなります。
「応援したい」が「口出し」になるとき
受験期の親子関係でよく起こるのが、親は応援のつもりで言っているのに、子どもには口出しのように受け取られてしまうことです。
たとえば、
「勉強しなくて大丈夫?」
「スマホばかり見てない?」
「志望校、本当にそこでいいの?」
親としては確認や励ましのつもりでも、子どもにとっては「今の自分では足りないと言われている」と感じる場合があります。
もちろん、声をかけること自体が悪いわけではありません。生活リズムや提出物、受験手続きなど、親のサポートが必要な場面もあります。ただ、何度も同じことを言ったり、子どもの表情が曇ったり、会話がぶつかりやすくなったりする場合は、少し関わり方を見直すサインかもしれません。
公認心理師として相談を伺う中でも、親御さんが「言わないほうがいいとわかっているのに、つい言ってしまう」と話されることがあります。これは決して珍しいことではありません。コントロールしたいのではなく、心配だからこそ言葉が先に出てしまうのです。
だからこそ、「言ってしまった自分はダメだ」と責めるより、「次に声をかけるなら、どう伝えると届きやすいかな」と考えるほうが、親子どちらにとっても負担が軽くなる方向に進みやすくなります。
応援の正解は、子どもによって違う
受験生への声かけとして、「頑張れと言わないほうがいい」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
でも実際には、「頑張れ」と言われることで力が湧く子もいます。一方で、「これ以上頑張れと言われても苦しい」と感じる子もいます。
つまり、応援の正解はひとつではありません。
何も言わずに見守ってもらうほうが安心する子もいれば、こまめに声をかけてもらうほうが安心する子もいます。勉強の進め方に口を出されるのは嫌だけれど、夜食を用意してくれるのはうれしい。志望校の話はしたくないけれど、いつも通り雑談してくれると落ち着く。そんなふうに、子どもによって受け取りやすい応援の形は違います。
そこでおすすめしたいのが、子どもに直接聞いてみることです。
「あと少し、どんな応援があると助かる?」
「声をかけるなら、どんな言い方がいい?」
「今は見守ってほしい?それとも一緒に確認したほうがいい?」
「言われると嫌なことはある?」
聞いた答えが、親にとって少し寂しいものかもしれません。たとえば「何もしないで」「放っておいて」と言われることもあるかもしれません。
でも、それは親を拒否しているというより、「今の自分に必要な距離感」を伝えているだけの場合もあります。親が一歩引くことも、立派な応援の形になることがあります。
親の不安は、子どもにぶつけない形で外に出す
受験するのは子ども本人です。けれど、見守る親にも大きな緊張があります。
心理学では、「誰の課題なのか」を分けて考える視点があります。受験本番で力を出すこと、勉強に向き合うこと、最終的に進路を選んでいくことは、子どもの課題です。一方で、必要な環境を整えること、手続きや生活面を支えること、親自身の不安を整えることは、親の課題です。
この線引きは、頭ではわかっていても簡単ではありません。大切な子どものことだからこそ、親の心も揺れます。
だから、親自身の不安の逃がし方を持っておくことも大切です。
たとえば、
言いたくなったことを、いったんメモに書く
子どもに言う前に、深呼吸をひとつ入れる
パートナーや友人に「今ちょっと不安」と話す
散歩や家事など、身体を動かして気持ちを切り替える
子どもに伝えることと、自分の中で整理することを分ける
親の不安をなくす必要はありません。なくそうとするほど、かえって大きく感じることもあります。
大事なのは、その不安をそのまま子どもにぶつけるのではなく、少し別の場所に逃がしてから関わることです。
完璧な親でいるより、応援の形を一緒に探す
受験期の親子関係では、「正解の関わり方」を探したくなるものです。
でも、どの家庭にも当てはまる正解はありません。子どもの性格、親子の関係性、受験までの状況によって、必要な関わり方は変わります。
完璧な親でいようとすることではなく、子どもにとって力になりやすい応援の形を親子で一緒に探していきましょう。
もし言いすぎてしまったと感じたら、
「さっきは少し言いすぎたかもしれない。心配で言ってしまったけれど、どう応援されると助かる?」
と伝えてみてもいいと思います。
親が自分の関わり方を振り返り、子どもの気持ちを聞こうとする姿勢そのものが、子どもにとって安心につながることもあります。
受験は子どもにとって大きな節目ですが、親にとっても見守る力を育てる時期なのかもしれません。焦りや不安が出てきたときほど、「この子にとって今、どんな応援が力になるだろう」と一呼吸置いて考えてみてください。
Podcast『それ、わかるー!!』第237回では、子どもの受験を前に親が感じる不安や、つい口出ししてしまう気持ちについて、より日常に近い言葉でお話ししています。
「黙って見守りたいのに、つい言ってしまう」
「応援したいだけなのに、プレッシャーになっている気がする」
そんな気持ちを抱えている方は、ぜひPodcastもあわせてお聴きください。
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