親の介護が始まったとき、仕事と自分の人生をどう守る?不安と罪悪感を整理するヒント
- 今井 さいこ

- 2025年10月29日
- 読了時間: 6分
※この記事は、2025年10月25日配信のPodcast「それ、わかるー!!」でお話しした内容をもとにまとめています。
親の介護が始まると、生活のリズムだけでなく、仕事やキャリア、きょうだいとの関係、自分の将来への考え方まで大きく揺れることがあります。「私がやらなきゃ」と思う一方で、「このままで私の人生は大丈夫?」と不安になることもあるかもしれません。
この記事では、親の介護と仕事の両立に悩むとき、不安や罪悪感を少し整理するための考え方をお伝えしています。
■こんな方におすすめの内容です
親の介護が始まり、仕事との両立に不安を感じている方
介護のために仕事をセーブし、キャリアへの影響が気になっている方
きょうだいとの役割分担がうまくいかず、ストレスを感じている方
「自分がもっと頑張らなきゃ」と罪悪感を抱えやすい方
介護中でも、自分の人生や働き方を大切にしたい方

親の介護が始まると、生活は一気に変わる
親の介護が始まると、これまで当たり前にできていたことが急に難しくなることがあります。
仕事の時間を調整する。
通院や手続きに付き添う。
家族と連絡を取り合う。
介護サービスについて調べる。
一つひとつは必要なことでも、それが積み重なると、心にも体にも負担がかかります。
特に30〜40代女性は、仕事、家庭、子育て、自分自身のライフプランなど、複数の役割を同時に担っている方も少なくありません。その中に親の介護が加わると、「どこから手をつければいいのかわからない」と感じるのは自然なことです。
不安や焦りが出てくるのは、力量がないからではありません。それだけ大きな変化の中で、何とか状況に向き合おうとしているサインとも言えます。
「私がやらなきゃ」が強くなると、自分の人生が後回しになりやすい
介護が始まると、どうしても親のことが生活の中心になりやすくなります。
「病院に連れて行かなきゃ」
「手続きしなきゃ」
「家族にも連絡しなきゃ」
「私が動かないと進まない」
そう思って動いているうちに、自分の仕事、自分の休息、自分の将来について考える時間が後回しになってしまうことがあります。
もちろん、介護の中では一時的に自分の予定を調整しなければならない場面もあります。けれど、自分の人生をずっと後回しにし続ける必要はありません。
公認心理師としても、介護者自身の心身の余力を守ることは、とても大切だと感じます。
介護は短距離走ではなく、長く続く可能性のある生活の一部です。だからこそ、「自分を犠牲にして頑張る」だけではなく、「続けられる形に整える」視点が必要です。
まずは困りごとを紙に書き出してみる
不安や焦りが大きいとき、頭の中ではいくつもの悩みが絡まり合っています。
介護のこと。
お金のこと。
仕事のこと。
きょうだいとの分担のこと。
自分のキャリアのこと。
将来への不安。
これらを頭の中だけで考え続けていると、全部が一つの大きな問題のように感じられます。
そんなときにおすすめなのが、困っていることを一度紙に書き出すことです。
たとえば、次のように分けてみます。
ケアマネジャーに相談すること
きょうだいで話し合うこと
職場に確認すること
キャリアについて考えること
自分の休息のために必要なこと
書き出すことで、「全部を自分一人で考えなくていいかもしれない」と見えてくることがあります。
悩みを外に出して見える形にすることは、心理的な整理にもつながります。問題がなくなるわけではなくても、「今、何から始めればよいか」が少し見えやすくなります。
相談先を分けると、一人で抱え込まなくてよくなる
介護の悩みは、家族だけで解決しようとすると行き詰まりやすいことがあります。
たとえば、介護サービスや生活支援については、ケアマネジャーに相談できることがあります。きょうだいとの役割分担についても、専門職の視点が入ることで、現実的な分担や外部サービスの利用を考えやすくなる場合があります。
また、仕事やキャリアへの不安がある場合は、職場の人事担当者やキャリアコンサルタントに相談することも一つです。会社によっては、介護休業や時短勤務、在宅勤務など、利用できる制度があるかもしれません。
大切なのは、「これは自分の問題だから、自分で何とかしなければ」と決めつけすぎないことです。
介護、仕事、家族関係、キャリア。それぞれに相談できる相手が違っていていいのです。
一人で全部を背負うのではなく、相談先を増やすことは、逃げではなく、生活を整えるための大切な工夫です。
「できていないこと」だけでなく、「できていること」にも目を向ける
介護が始まると、どうしても「足りないこと」に目が向きやすくなります。
もっと親に優しくできたら。
もっと仕事もちゃんとできたら。
もっときょうだいとうまく話せたら。
もっと早く制度を調べられたら。
けれど、すでにやっていることもきっとたくさんあるはずです。
親の様子を気にかけている。
仕事を調整している。
必要な連絡をしている。
悩みながらも、何とか日々を回している。
それは十分に「やっていること」です。
焦りは、「今できることが見えない」ときに強くなりやすいものです。反対に、「今日はこれを一つ進められた」「ここまではできている」と感じられると、少し心が落ち着くことがあります。
日常の中では、寝る前に一つだけ「今日できたこと」を書くのもおすすめです。
「ケアマネさんに電話できた」
「職場制度を調べた」
「今日は少し休めた」
小さなことで構いません。自分を責める材料ではなく、自分を支える材料を少しずつ集めていきましょう。
介護中でも、自分の人生を大切にしていい
親の介護が始まると、「親を優先しなければ」と思う場面は増えるかもしれません。けれど、介護をしているあなたにも、仕事があり、暮らしがあり、これからの人生があります。
介護と仕事の両立は、簡単に答えが出るものではありません。理想通りに役割分担できないことも、思うように制度を使えないこともあると思います。
それでも、「どうせ無理」とあきらめる前に、今できる小さな一歩を探してみてください。
困りごとを書き出す。
相談先を一つ増やす。
職場の制度を確認する。
きょうだいと話す前に、伝えたいことを整理する。
自分の休む時間を予定に入れる。
介護は一人で抱え込むものではありません。そして、介護をしているからといって、自分の人生を大切にすることをあきらめなくてもいいのです。
今回のPodcastでは、親の介護が始まったときの不安や罪悪感、仕事やキャリアとの両立について、日常に持ち帰りやすい形でお話ししています。
「自分だけが頑張っている気がする」「何から整理したらいいかわからない」そんな方は、ぜひPodcast『それ、わかるー!!』も聴いてみてください。
*ご相談について同じような悩みをお持ちで、「一人では整理しきれない」と感じたときは、オンラインカウンセリングでお話を伺っています。
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*Podcastについて
オンラインカウンセリングサロン「LIB Laboratory」代表の今井さいこと、ゆみこさんの2人でお送りしています。心理の専門家の視点から、日常に持ち帰りやすい形でお話ししています。
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